分子動力学を用いた両極性高分子の研究成果 1.温度に応じて、凝縮したグロビュール(低温)、開いたコイル状態(高温)を とる。クーロン力のもとでは、温度変化に対する体積変化は1価であるが、 短距離引力が加わると変化経路が2価になりヒステリシスが現れる。 2.極低温ではクーロン結晶化する。この結晶形はbcc(体心立方晶系)で あり、最稠密のfcc(面心立方晶系)ではないのは、クーロン斥力のため。 3.温度一定で塩濃度を増やすと、非中性の両極性高分子の体積ははじめ 減少し、つぎに増加に転じる再帰的体積変化を見せる。前者は単極性から 両極性への遷移、後者はクーロン相互作用が弱い非帯電高分子への遷移 である。体積最小となるのは、塩濃度が両極性高分子の電荷濃度と等しい ときである。 参考資料: イオン性ソフトマターの物理 固体物理 2002年4月号 Polyampholyteの構造形成と ヒステリシス発生 Phys.Rev. E56 (1997). 添加塩のPolyampholyte構造への効果 J.Chem.Phys. 110 (1999) Polyampholyteの超低温における bcc結晶化、 塩イオンの遮蔽効果 Phys.Rev. E62 (2000). 前のページにもどる ホームにもどる |